海外FXは、国内FXに比べてスプレッドが広い傾向にあります。
それは両者で異なる運営をしていることが関係しているのです。
本記事では海外FXと国内FXのスプレッドに差がある理由と、両者の違いについて解説します。
海外FXと国内FXのスプレッド
以下は、人気の海外FXと国内FX会社のスプレッドを比較したものです。
FX会社 | XM(海外) | DMM FX(国内) |
USD/JPY | 1.6pips | 0.2pips |
EUR/JPY | 2.6pips | 0.5pips |
GBP/JPY | 3.2pips | 1.0pips |
他の会社でも同じようなスプレッド水準だよ。
海外FXに比べると、国内FXはかなり狭いスプレッド水準となっています。
海外FXではECN口座といったスプレッドが狭い代わりに手数料がかかる口座がありますが、国内FXでは手数料なしで取引可能です。
国内FXのスプレッドが狭い理由
国内FXのスプレッドが狭いのは、海外FXとの運営方式の違いが要因です。
その要因について詳しく見ていきましょう。
DD方式とNDD方式

海外FXのほとんどはNDD(Non Dealing Desk)方式を採用しているのに対して、国内FXはDD(Dealing Desk)方式を採用しています。
NDD方式→ディーラーの仲介がない
DD方式→ディーラーの仲介がある
NDD方式のようにディーラーの仲介がないと、市場価格がそのまま反映された取引ができます。
DD方式ではインターバンク市場と直接つながっていないので、自由にレートの提示ができるのです。
NDD方式は市場価格にスプレッドを上乗せすることで、取引の手数料として利益を出します。
DD方式は顧客の勝ち負けがそのまま利益に影響を与えるので、スプレッドをわざわざ上乗せする必要がありません。
DD方式は公平性のない取引と考えられていますが、国内FXは金融庁の厳しいルールで守られているので安全性はかなり高いです。
DD方式の海外FXもある
海外FXの全てがNDD方式というわけではありません。
- GEMFOREX
- iFOREX
- IS6FX
上記は人気の海外FXですが、NDDではなくDD方式となっています。
GEMFOREXでは2種類の口座タイプがありますが、ノースプレッド口座では国内FX並みのスプレッド水準で取引可能です。
取引毎の手数料も発生しないので、取引条件は国内FXとほとんど変わらないと言っていいでしょう。
DD方式とはいっても、GEMFOREXやIS6FXの取引ツールはMT4を採用しているので、レートに大きな違いがあるとすぐに摘発されます。
そのため、極端なレートずれなどを感じることなく、他社と似たレートで取引が可能です。
国内FXは独自のツールを提供している会社がほとんどです。
オアンダJapanや外為ファイネストは一部NDD方式を採用しており、MT4の利用もできる会社となっています。
スプレッドの狭い国内FXは有利?
スプレッドは、取引の結果に大きく影響を与えるものです。
- スプレッド0.2pipsの会社で10pips獲得した場合
→9.8pipsの利益 - スプレッド2.0pipsの会社で10pips獲得した場合
→8.0pipsの利益
スプレッド差が広いと得られる利益も減ってしまいます。
これだけ見ると国内FXの方が有利に感じるかもしれませんが、取引ルールを考えると海外FXの方が有利となるのです。
レバレッジとゼロカット
海外FXは、最大レバレッジが400倍~3000倍とかなり高いです。
それに対して国内FXは25倍までと金融庁のルールで定められています。
USD/JPY110円の時10万通貨を保有
国内FX→(110円×10万)÷25=44万円
海外FX(1000倍の会社)→(110円×10万)÷1000=1万1000円
国内では必要証拠金44万円なのに対して、1000倍かけられる海外FXでは1万1000円ほどの証拠金で取引できます。
国内FXは、ある程度のロット数量を持つのに多くの証拠金が必要となるのです。
ゼロカットシステム
相場の急変動でロスカットが間に合わなかった場合、口座残高がマイナスになっても追証を会社が払うシステム。
国内FXでは残高がマイナスになってしまった場合、追加の証拠金を払う必要があります。
海外FXでは追証分を会社が補填してくれるので、マイナス分の支払い義務がありません。
国内FXはロスカット水準が高めorレバレッジの制限によって顧客のリスクを低減しています。
ボーナスの利用
海外FXでは、会社によって豊富なボーナス制度を提供しています。
- 口座開設ボーナス
- 入金ボーナス
- 取引ボーナス
よく広告を見かけるよ。
国内FXはスプレッドによって利益が得られないので、ボーナス制度の条件はかなり厳しめです。
決まったロット数量の取引を期間内に行うというものがほとんどとなっています。
ボーナスを提供していないExnessやTitanFXでは、他の海外FXよりもスプレッドを狭くして他社との差別化を図っています。
海外FXと国内FXのスプレッドまとめ
海外FXと国内FXのスプレッドの違いについてまとめました。
- 国内FXは海外FXよりもスプレッドが狭い
- 海外FXでもDD方式を採用している会社はある
- 海外FXはスプレッドが広いが豊富なボーナスと高いレバレッジで取引可能
- ゼロカットシステムは海外特有の制度
国内FXのスプレッド水準はとても魅力的ですが、海外FXに比べると多くの証拠金が必要となります。
ゼロカットの採用もないので、初心者には海外FXの方がおすすめです。
スプレッドは狭いほど資金効率が良くなりますが、取引条件なども加味して自身に合ったタイプを選択するといいでしょう。