海外FXを始めるにあたって、証拠金維持率への理解は必須です。
証拠金維持率を理解できていないと大きな損失を出す可能性があるので、自身でコントロールしていかなければなりません。
本記事ではそんな海外FXの証拠金維持率について、仕組みや注意点を詳しく解説していきます。
証拠金維持率とは?!
証拠金維持率を見ると、保有ポジションに対して自己資金の割合や余裕が分かります。
必要証拠金に対して有効証拠金がどのくらいあるかを見ることで、そのトレードが安全圏かもしくは危険かが分かる仕組みです。
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率を計算するには、有効証拠金と必要証拠金を把握する必要があります。
- 必要証拠金→ポジションを持つのに必要な金額
- 有効証拠金→取引として利用可能な証拠金の全額
必要証拠金は以下の計算方法で算出可能です。
必要証拠金=銘柄の価格×ロット(通貨量)÷レバレッジ
レバレッジは会社ごとに異なるので、それぞれの会社の最大レバレッジを理解しておきましょう。
自分で取引の上限を決めておくといいよ。
有効証拠金÷必要証拠金×100=証拠金維持率が計算できます。
レバレッジ500倍の海外FX会社で、有効証拠金が10万円で1ドル110円時に10万通貨を保有した際の例を見ていきましょう。
(110×10万通貨)÷500=必要証拠金22000円
10万円÷2万2000円×100=450
→証拠金維持率450%
このように証拠金維持率が求められます。
証拠金維持率が低下すると….
証拠金維持率は低下すると以下のような事が起こります。
- マージンコール
- ロスカット
それぞれを詳しく見ていきましょう。
マージンコール
マージンコールとは、証拠金維持率が低下して資金が減っているorロスカットが近づいていることをお知らせしてくれるものです。
FX会社 | マージンコールの証拠金維持率 |
XM | 50% |
GEMFOREX | 50% |
Exness | 60% |
AXIORY | 50% |
TitanFX | 90% |
マージンコールが発動する証拠金維持率はそれぞれ会社によって異なります。
あくまでも注意喚起のようなものって認識でいいかな。
マージンコールの証拠金維持率水準に達した時点で、MT4やMT5で保有中のポジションを表示させると赤く表示されます。
ここでは決済などの特別なことが起きるわけではなく、ロスカット水準に近づいていることをお知らせしてくれるだけです。
会社によっては登録したメールアドレス宛にお知らせをメールで送ってくれる会社もあります。
強制ロスカット
証拠金維持率がFX会社の定める証拠金維持率を低下すると、強制ロスカットが発動します。
強制ロスカット
保有中のポジションがFX会社によって強制的に損切りされる事。
この強制ロスカットが、証拠金維持率を理解するうえで最も重要な事項となるのです。
強制ロスカットされてしまうと、全てのポジションが決済されてしまうのでその後の粘った取引ができません。
FX会社 | ロスカットの証拠金維持率 |
XM | 20% |
GEMFOREX | 20% |
Exness | 0% |
AXIORY | 20% |
TitanFX | 20% |
ロスカット水準も会社によって異なりますが、たいてい20%ほどと低めに設定されています。
Exessでロスカットされるという事は入金額すべてを失うことを意味しますよ。
他の海外FXでは0%ではなくても20%ほどの低水準なので、ロスカットにあった時点で証拠金はほとんど残りません。
海外FXで取引をする際は、このロスカットを回避していくことが重要となるのです。
証拠金維持率ギリギリの勝負も有効
海外FXでは、仮にロスカットが間に合わなくてもゼロカットシステムという制度が適用されます。
ゼロカットシステム
相場の急変動により、残高がマイナスになってもFX会社がマイナス分を補填する制度。
国内FXにはこのゼロカットがないので、ロスカット水準が100%以上と高めに設定されている会社が多いです。
海外FXではこのゼロカットシステムを活かして、証拠金維持率ギリギリで勝負するトレーダーもいます。
特にExnessでは最大レバレッジが無制限でかけらるので、少ない証拠金でも大きなロットの保有ができます。
そのため、ロスカット水準を0%にして証拠金維持率ギリギリのトレードができる仕組みをとっているのです。
資金の調整ができていれば、必ずしも証拠金維持率を高く設定する必要はありません。
ただし、口座資金は全額入れたりせずに、ロスカットのあってもすぐに再入金ができる額で行うようにしましょう。
ロスカットを回避する方法
前提として、ロスカットは証拠金維持率が高く保てていれば回避できます。
例えば、保有しているポジションで含み益が出ている場合では証拠金維持率が上昇するほか、 レンジ相場であまり大きく動いていない場合は一定の維持率です。
次に紹介するのは、ロスカット水準に近づいた時のロスカット回避方法です。
具体的な方法を見ていきましょう。
追加入金
ポジション保有中に追加で同じ口座への入金をすると、証拠金維持率を上昇させられます。
追加入金をするという事は、有効証拠金を増やす事に繋がるので必然的に証拠金維持率の上昇に繋がるのです。
追加入金は一時的なロスカット回避に有効です。
しかし、トレンドが強い場合には追加入金分もマイナスになってしまう可能性があるので、損切りをして違うポジションを持つことが有効と言えるでしょう。
また、海外FXでは複数口座を持つことができますが、資金移動をする方法もあります。
ロスカット水準に近い口座へ、他の口座から資金を移動することで有効証拠金が増え、証拠金維持率の上昇に繋がります。
ポジションの一部決済
複数ポジションを持っている場合は、含み損の出ている一部ポジションを決済することでロスカットの回避に繋がります。
もしも2つのポジションを保有していたとして、片方は含み益、片方は含み損であったとします。
ロスカットラインに近づいている状態で含み益のポジションを利確すると、当然片方のポジションがすぐロスカットされていまうでしょう。
しかし、損失の出ているポジションの決済であればただの損切りでおります。
これは複数ポジション含み損が出ている場合でも同じです。
含み損一部のポジションを決済することで、一時的に証拠金維持率の上昇に繋がります。
証拠金維持率の基礎知識
次に、証拠金維持率に関する基礎知識を解説していきます。
海外FXのボーナス
海外FXでは会社によって様々なボーナスが提供されています。
ボーナスは少ない資金でも多くのロットが保有できる魅力的な制度ですが、会社によってはクッション機能のないボーナスがあるので注意しましょう。
クッション機能
ボーナスが証拠金としての役割を果たすことをクッション機能があるという。クッション機能のないボーナスは、ロスカットや含み損が出た際に自動消滅。
クッション機能のないボーナスは、証拠金としての役割を果たさないので、当然証拠金維持率には影響しないものです。
そのためほとんど意味のないボーナスと言われています。
銘柄によって維持率増減のペースが異なる
海外FXでは様々な銘柄で取引ができます。
取引する銘柄によって、証拠金維持率増減のペースは異なると覚えておきましょう。
- メジャー通貨ペア(USD/JPYなど)→値幅が小さい
- マイナー通貨or貴金属など→値幅が大きい
値幅の大きな銘柄ほど見込めるリスクは大きいですが、その分損失を出すペースも早くなります。
証拠金維持率も連動する仕組みです。
証拠金維持率を500%や1000%といった高い水準にしていても、値幅の大きなマイナー通貨や貴金属では安全圏でないと覚えておきましょう。
トレードスタイル別による証拠金維持率
前述した銘柄だけではなく、トレードスタイルによっても証拠金維持率の安全圏は異なります。
- スキャルピング→200%~500%
- デイトレード→500%~1000%
- スイングトレード→1000%以上
上記はあくまで目安のため、保有する銘柄や相場状況によって変える必要があります。
証拠金維持率の安全圏というのは、あくまでも自身のトレードスタイルに合わせて定めていくものです。
各銘柄のボラティリティや許容pips幅をしっかり設定しておきましょう。
海外FXの証拠金維持率まとめ
海外FXの証拠金維持率についてまとめました。
- 証拠金維持率が低下するとロスカットに合う
- ロスカット水準は会社によって異なる
- 追加入金や一部ポジションの決済で証拠金維持率は上げられる
- 有効証拠金÷必要証拠金×100で証拠金維持率が算出可能
- トレードスタイルや銘柄によって証拠金維持率を設定することが重要
証拠金維持率は海外FXで取引をする上でとても重要なことです。
デモ口座などを使って、許容pips幅や維持率計算を行っておくといいでしょう。
具体的な数値の計算はできなくとも、保有する銘柄やロットに応じたある程度の維持率を理解しておくことが重要となります。